優しく笑う人

気がつけば、飲み会の話題はやっぱり恋愛ネタに…。

 

 

「永倉さんと、佐伯さんて、彼女とかいるんですかぁ?」

 

 

ロレツが怪しくなってきたユリカちゃんが、二人に絡む。

 

 

私はお酒のペースを落とすために、サラダを取り分けたり、食べ物の係。

 

 

しかし、なんだ、この配役…!

 

ふつーこういうのって後輩がやるものじゃないのか?

 

 

私が必死に取り分けをしている中、永倉は1人語りだす。

 

 

 

「俺は今完全フリーダムなんだよねぇ。欲しいとは思ってるけど、1人に絞れなくてさ」

 

「……フリーダムって…」

 

 

ちょいちょい突っ込む佐伯涼がナイスすぎて笑える。

 

そうだよ、ダサいよ、バカだよ?って言ってやれ。

 

それって、何人も好きな女性がいるってことですかぁ?」

 

ユリカちゃんて、確か今24歳。

 

恋愛観もやっぱり若くて、いろいろと気になるのかなー?

 

 

それとも、永倉に気があるとか?

 

 

 

永倉といえば、じつは顔はけっこうイケメン。

 

 

会社規定のギリギリラインの茶髪の髪。

 

 

身長は高いし、趣味のサッカーを今も続けているから肌は小麦色に焼けている。

 

 

男っぽい見た目をしているわりに、笑うと可愛いとかで女性社員から人気がある。

 

 

 

 

一方で、ユリカちゃんは、今時の若ものらしい明るい髪色。

 

肩までの長さでバッツリ切ったボブカット。

 

いつもグロスをたっぷりつけて、つけまつげもバッチリ。

 

 

ビジュアル的にはこの2人って…

 

 

「超お似合いかも」

 

 

思わず声がもれた私。

 

気がつくと、私の言葉に反応して3人がこちらを見ている。

 

 

「石原先輩……酔ってます?大丈夫ですか?」

 

「へっ?う…うん…余裕、余裕!」

 

 

完全に強がりの大ウソ。

 

さっき、一気に飲んだピーチジンジャーがどうやら超効いてる!

 

 

やばい…顔が熱くて、目の前がぼやけてきた…。

 

 

永倉がチラッと私を見たが、しゃべり続ける。

 

 

「まー俺はさ、俺のことを好きな女の子っていうだけじゃダメなわけ。でも、かわいい女の子はみーんな良く見えるし、できるならば1度抱きたいと思っちゃうんだよね」

 

 

「それって、体だけの関係が多いってことですかぁ?やだ?永倉さん」

 

 

「あはは!まー流れに逆らわない主義だからね。スキあらばってやつですよ」

 

 

な???にが隙あらばよ。

 

この、スケコマシめが。

 

 

 

「ねえ、石原さん、俺が取り分けるからちょっと休んでていいよ」

 

 

永倉の話をぼんやりと聞いていた私の手をつかみ、

 

突然、佐伯涼があたしからサラダを取り分ける取り箸を奪う。

 

 

 

「佐伯…涼…。ありがと」

 

 

「どういたしまして」

 

 

佐伯涼の顔も、ビールを何回も飲んでいるからか、かすかに赤い。

 

 

優しく笑う人だなぁ…。

 

 

この人…今までプライベートなことはあまり話したことないけど、会社以外では一体どんな男なんだろう?